西村知美さん
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西村知美さんとの出会い
西村知美さんは、
おもちゃコンサルタントの資格をお持ちで、おもちゃへの思いが、とても深い方。
そんな西村さんに出会ったきっかけは、マリオネットでした。
写真は、人形作家、川崎プッペ先生の作品のマリオネットです。
西村さんのご主人のご家族と深いご親交があったということで、プッペ先生が亡くなられたとき、
形見分けしていただいたという大切な思いの詰まったお人形たちとのこと。
西村さんのご主人の実家で、大切に飾っています。
5年ほど前、そんな大切なお人形を治療する機会を日本おもちゃ病院協会の会長・田中啓ドクターが
担当させていただきました。
おもちゃの治療
写真右側のピノキオ人形の治療をさせていただきました。
お人形のお怪我の具合は、両足の赤い靴の部分が壊れていて、吊ってある糸が経年劣化のため、切れていました。
この糸というのが、ただモノではなく、何本もの芯糸の周りを別の細糸で巻いたものでした。
適度な張りがあって滑りのいいものだったとのこと。田中会長もこの糸の素晴らしさに感動。
なんとかこの糸を入手したいと探しました。
特殊な糸で、なかなか同じものを探しても見つけられず、やっと水道橋のパペット専門店に辿り着きました。
プロの世界の専門店でした。
糸を探していることをお伝えすると、本来は自分のところで売ったものしか相談に乗れないと言われましたが、
西村知美さんのお名前を出したところ専門店のご主人が、大変驚かれて。
以前に、なにかの番組で、そこに訪れたことがあったと語ってくれました。
そして特別に、糸をわけていただくことができたのです。
もともと取り付けられていた糸とは、また種類の違う糸でしたが、プロが使用する専門的な糸を使い、
マリオネットに、とりつけることができました。
足の部分は、紙粘土を使い、壊れた部分を治療し、無事、退院することができました。
西村知美さんから頂いたメッセージ!!
「プッペ先生のマリオネットは、
テレビ東京の「開運!なんでも鑑定団」で紹介しました。
かなり破損は目立っていましたが、
おもちゃ病院を思い出し、お世話になり、新品のマリオネットのように生まれ変わり、
感動したことを覚えています。」
感動の共有
西村知美さんは、おもちゃ美術館のコンサルタントの資格をお持ちのほか、社会的活動への関心・ボランティア、さまざまな活動をされています。
お忙しい日々の中、時間をつくり、できることに挑戦していく、今を大切にされている素敵な方です。
田中会長によると、西村さんの印象は、お人柄がとても謙虚で、思いやりのある落ち着いた素敵な女性とのこと。
大切な形見分けの宝モノのお人形を修理するために、おもちゃ病院を探して扉をノックしてくださったこと、
田中ドクターも西村さんの思いに応えることができたこと、
よろこびを共有させていただいたこと、
西村知美さん、このたびは、本当にありがとうございます。
おもちゃ修理は、モノを修理するということだけではなく、おもちゃの治療で出会った人からの
感動や喜びをいただいています。
そして、ときには、おもちゃ修理を通して、地域の人たちとの交流の機会にもなっていると思います。
すべてのおもちゃには、物語があります。
感動の共有は、ドクターにとってのなによりの喜びなのです。
ご注意
- アンティークや高価な価値があるものに関して、外観や価値を変えてしまう場合があります。
あくまでお客様のご理解をいただいた上での治療になります。部品の入手が困難な場合は治らない場合もあります。
治療をお断りする場合もありますので、ご了承ください。 - 日本おもちゃ病院協会では、修理依頼を直接受け付けておりません、各地域のおもちゃ病院にご相談ください。
- マリオネットの人形写真は、西村知美公式ブログから引用(http://tororin-n.jugem.jp/?eid=319)
- 2022.12.27/記事/